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能面 狂言面 制作工程
≪ 長霊べし見をモデル ≫

彩色前の工程で古色や化粧を施す前の地色に塗り上げる。



 ・下塗りのにかわ液を2倍に薄め、 「下塗りのにかわ液6:水4」に薄め上塗用の にかわ液を作り
ちょっと上等な胡粉を  乳鉢に胡粉を入れ溶き混ぜる。  アワビの粉末を加えると良い。

 ・水乾板流し顔料(泥絵の具。山から採取した泥や土を水で精製し板状に乾燥させた顔料)を皿で溶かし、 少量づつ加え、よく混ぜ合わせ、色を調合する。

 ・この長霊べし見には和黄土、卵色、利休茶、丁子色を入れた。 量は少しずつ加え調合。

 ・ここで濃すぎると大変だ。彩色時に古色液を着けていくと益々濃くなるので注意する。

 ・通しをかけゴミを取り除いたた胡粉液を面に塗り付ける。 同じところに何度も塗ると前回のを剥がしてしまうので気を付ける。

 ・塗り付け乾かした後、再度色調合をするケースが大いにある。

 ・3回塗ったところで赤みが少しほしく弁柄をちょこっと入れ4回目を塗った。目に上塗り液がくっつくので竹べらで時々取る。

 ・全部で8回ほど塗る。最終の塗り前に#320のペーパーでかるく磨く。 塗りムラや溜まりが取り除ける。


 ・刷毛目を重要視する場合は刷毛先が粗目の筆を使う。

 ・梨目仕上げにする場合はパフ、ヘチマ、海綿、スポンジでたたき付ける。

 上塗りの仕上げ

 #320のペーパーで軽く磨きいた後 梨目を打ち付けるのに海綿でたたき付けた。


 そのあとで刷毛目をちょっとだけ付けたく豚毛の筆を使用。オデコとアゴは横に、鼻とホッペは縦に流した。

 上塗り完了

 8回の塗りで上塗り完了。 次は 彩色だ。 写真では白っぽく見えるが実際はもう少し色が付いている。