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権兵衛さんの石垣島・西表島紀行

2007年6月25日〜7月5日


石垣島
 6月25日朝8時30分自宅を出発、神戸空港10時35分発のANA433便に乗り、一路沖縄を目指す。 沖縄着12時35分、天候は晴れ、気温31度だ。


お出迎え
イリオモテヤギ イリオモテ
ワンコウ

 つぎに、石垣島を目指して飛行機を乗り継ぎ、約1時間石垣島に着いた時には、 さらに気温が上がっていたように思えた。  紫外線も神戸よりずっと強く、暑い。

 石垣島は、沖縄県で、沖縄本島、西表島に次いで3番目に大きな島で、ハワイのホノルルとほぼ同じ緯度にあり、 年平均気温が23〜24度の亜熱帯の島だ。
 ただし、一日の最高気温と最低気温の差があまりなく、夏の夜は常に27〜28度あり、暑い。 人口はおよそ48000人で、離島としては開けた島でもある。
石垣島 川平湾

 石垣島では二日間レンタカーを借りて、島内を駆け巡った。

 二日目、レンタカーを運転していると、鳩より大きめで、今まで見かけたことの無い鳥が、道を歩いて横切った。 すわー、あれが特別天然記念物のヤンバルクイナかー。  地元の人でも、見かけた人はほとんどいない、ヤンバルクイナ。  すぐさまカメラを持って車外に飛び出した。
 ところが、野生のヤンバルクイナ、今にも逃げそうだ。 ここで逃げられたら、せっかく石垣島まで学術調査に来た甲斐がなくなってしまう。
 そこで持っていたオニギリを、「めしでもくいな」と言って差し出したが、逃げて言った。 もっと丁寧な言葉づかいで、ご飯は如何ですかと言えばよかったのかもしれない。

メシデモクイナ

 その後、スーパーでパイナップルと果物ナイフを買い、無人の海に一人潜ったり、 パイナップルを食ったりした。 パイナップルは甘く美味しかった。  皆さんは、パイナップルが4種類あるのをご存知だろうか。
 それは、ハワイ種のパイン、皆さんがスーパーで買って食べているやつは、 これのフィリピン産だ。 それにスナックパイン、ピーチパイン、ミニパインの4種類がある。 この内、ピーチパインは今が旬で、少し小さめで値段は高いが、大変甘く美味しかった。

パイナップル畑

 3日目、青サンゴが群生する白保海岸で、半日シュノーケリングのツアーに参加した。
 参加者は13名、殆どが若い女性でオッサンは私一人、おまけにその殆どの娘が、 シュノーケリングも初めての体験、さらに泳げない娘もいる。
 泳げなくても、ライフジャケットと言う、浮き袋の着いたチョッキを着ているので、 水面に浮いた状態で水中を見ることが出来る。

 船頭が、潜るポイントの近くまで船で連れて行き、そこで各自シュノーケルで、 サンゴや魚を見て楽しむようになっている。
 一応、船上でシュノーケリングの講習を受けるのだが、海に入ると、はじめての娘たちは、 水中メガネの中に水が入ったり、上手く息が出来なかったり、てんやわんやの騒ぎだ。

 しかたなく、一緒に海に浸かっている私が、船頭に代わってあれこれと面倒を見てやることになる。
 そうこうしている内に、あちこちから、おじさんこれどうにかしてー、おじさんこちらもお願い、 と、客の私が大忙しだ。

 船頭は、船の上から指を指し、あっちの方に綺麗なサンゴ礁がある、こっちの方に何々があるので、 皆さんを連れて行ってやってくれと、私に言う。
 よくよく聞くと、真っ黒に日焼けした船頭までが、私のことをおじさんと呼んでいる。
 生まれて今まで、おじさん、おっさん、たいしょうと呼ばれたことはある。 また、ネオン街では、パパ、社長、大統領とも呼ばれた経験はある。 しかし、そんなに違和感は、今まで感じたことは無かった。
 ところが、真っ黒に日焼けして、タドンのような顔色の船頭に、 おじさんと言われたときは、さすがの私も、少なからず違和感を持った。

 夕方になって、夕食を食べに出かけた。 もちろん一人での寂しい夕食だ。

 酔っ払う前に、元祖サボリマンさんから頼まれた、まぼろしのラー油を買いに行った。
 このラー油はテレビで紹介されたりして、石垣島では大変な人気商品だそうだ。 観光ブックにも、石垣島のまぼろしのラー油と書いてある。

まぼろしの味
らーゆ

 店に行くと、すぐ品切れになるので、お一人様2個までと書いてあった。
 そこで若い女性店員に、まぼろしのラー油と言われているが、どんな味がするのん、 と聞くと、店員は困ったような顔をしていたので、そんな時は、まぼろしのラー油だから、 まぼろしの味がする、と言っといたらええねん、と教えてあげた。
 すると、奥にいた中年の太ったおばさんから、じろっとにらまれてしまった。

 食事は石垣名物の、グルクンと言う魚のから揚げ、豚の角煮のラフティー、海ぶどうに、 刺身の盛り合わせ、そして地ビールを頼んだ。 刺身の盛り合わせでは、マンボウ、カツオ、マグロの刺身が入っていた。 マンボウは、見た目はマグロのトロのような感じで美味しそうだが、食べると硬く味もなかった。
 食後、再び、まぼろしのラー油を買いに行ったら、先ほどの太ったおばさんに見つかり、 あなた先ほど買いに来られた方ですね、うちは一人2個までしか売れません、と言われてしまった。 先ほど余計なことを言ったので、覚えられていたのだ。 やはり口は災いのもとだった。



黒島
 石垣島桟橋から高速船に乗り、25分で黒島に着く。
 黒島は島の周囲約13kmのサンゴ礁でできた島で、人口は約220人と、その10倍の牛が飼育されている島だ。
 舗装されている道路は一部で、あとは地道、あちこちで牧草を食む牛を見かける。 牛と島を取り巻くサンゴ礁以外は、何もないところだった。
 ここでも、誰もいない灯台の下で、一人サンゴ礁の海に潜って、一日を過ごした。
シャコ貝を獲って食べようとしたが、素手では取れない。 飛行機に乗るので、貝おこしは持って行ってなかった。 苦労して小さいシャコ貝が一つだけ獲れたので食べた。  味はなかなかいけるが、醤油とワサビが有れば、もっと美味しかっただろう。

黒島・沖本海岸 黒島・灯台下の海岸



西表島
 西表島は、石垣島から高速船で35〜40分、人口約2400人で、周囲約130km、沖縄本島に次いで大きな島だ。 島のほとんどを山岳がしめ、その90%以上が、熱帯、亜熱帯の原生林におおわれている。
 また、降雨量が多くて熱帯雨林の様相を見せる島である。 そのため東洋のガラパゴスと呼ばれている。
 ジャングルの中には、特別天然記念物の、 イリオモテヤマネコ、カンムリワシ、セマルハコガメと言った動物、ナリヤラン、ヤエヤマヤシ、 サキシマスオウなどの世界的に珍しい植物が生息している。
特別天然記念物
セマルハコガメ(本物)

 その中でもイリオモテヤマネコは、西表島だけに生息し、体重4kg前後で、暗褐色の体毛が特長だ。
 おもに夜間に活動するが、泳ぎも得意とされている。そのため河川で魚類や甲殻類も捕食するそうだ。 特別天然記念物として保護されているが、生息数は100頭以下と推測され、絶滅の危機が高まっている。
 イリオモテヤマネコについて、いろいろ調査している内に、何としてでも、一目見たいと思うようになった ただ、現地の島民でも、野生のイリオモテヤマネコを目撃した人は、ほとんどいないそうだ。

 西表島では、民宿に泊まっていた。 夕食後、夕日を見に出かけたときのことである。
沈む夕日

 全く偶然にも、また、運が良いと言うか、日頃の行いが良いせいか、イリオモテヤマネコの特長である、 暗褐色の体毛をもつ猫を発見した。
 逃げられないように、静かに、猫の目を見ないようにして、そろりそろりと近づき、写真を撮ることに成功した。
 島民でもほとんど見たことの無いイリオモテヤマネコを、短期滞在の観光客がカメラに収めることは、 非常に珍しいことである。  興奮収まらず、さっそく宿に帰り、イリオモテヤマネコを撮ったデジカメを見せ、 宿泊客や宿の女将に自慢してしまった。
 その中に、写真が好きな客がひとりいた。 昨夜、隣の居酒屋で一緒に飲んだ40歳前後の公務員の青年だ。
 はく製のイリオモテヤマネコを見たことがあると言って、私の写真を見て言った。 これは、ウラオモテヤマネコですね、と。 なんじゃそりゃ。 にせものと言うことか。

 
特別天然記念物 
イリオモテ
ヤマネコ
ウラオモテ
ドラネコ



由布島
 由布島は西表島から400m離れたところに位置し、周囲2kmほどの小さな島で、 ヤシなどの亜熱帯の樹木が茂り、色鮮やかなハイビスカスやブーゲンビレアが年中咲き乱れる植物園だ。

 島へのアクセスは、浅瀬を水牛車に揺られながら、ゆっくり渡るのが、観光名物となっている。
 この水牛は、昭和7年ごろ、台湾の開拓移民と共に農耕用として渡って来たそうだ。 今では観光用の牛車を引くために使役されている。

 水牛の寿命は30才くらいで、3才くらいから牛車を引くために調教され、 5才くらいから観光客を乗せて牛車を引くようになり、20才くらいで引退した後、モデルになるそうだ。
 年をとった後、モデルになると言うのは、人間とはちょうど逆である。

由布島巡り 水牛車

神鉄スイミングやアクトスの女性たちも、由布島に渡れば、ひょっとしたらモデルになれるかも知れない。  一度行ってみては如何だろうか。

 夕食後、散歩に出かけた。 すると、いらっしゃいませ。冷たいお飲み物はいかがですかと、話しかけられた。
 よく見ると、自動販売機が3台あり、そのうちのどれかが言っているのだ。 伊藤園、コカコーラ、ダイドーの自販機だ。
 ほとんど同じような種類の飲み物が並んでいたので、声をかけてくれた自販機のものを買うことにした。 ところが、どの自販機がいらっしゃいませと言ってくれたのか、分からない。
しかたなく、もう一度建物の裏にまわり、走って真ん中の自販機の前まで行くことにした。 それでやっと、右側のダイドーの自販機が言っていることが分かったので、ダイドーの缶コーヒーを買った。
 それにしても、西表島でこんな挨拶をしてくれる自販機に、はじめて出会うなんて驚いた。



仲間川ジャングルクルーズ
 仲間川の源流域までカヤックでさかのぼる、往復17kmの一日ツアーに参加した。  カヤックの上級者でないと、なかなか川の源流域までは行けないそうだ。

 今回の参加者は私を含めて4人。 40才くらいの夫婦と私、それにガイドだ。
 夫婦の二人は、カヤック暦が長く上級者だ。 私はカヤックの経験はあると言っても、まだ初心者の域を出ていない。 川に漕ぎ出すと、ガイドがぐんぐんとスピードを上げ、上流を目指して進む。

 その後を客の3人が追う。
 途中、遊覧船とすれ違うのだが、乗船客がこちらを見て、手を振ったり、写真を撮ったり、 頑張ってと声をかけてくる。
 あまり無愛想にも出来ないので、疲れているのを我慢して、笑顔でこれに答えたり、 時にはカヤックを漕ぐ手を休めて、手を振って返す。
 写真を撮られるのに、ポーズも決めねばならず、遊覧船が近づくと、疲れた。

 上流に差し掛かったところで、初心者の悲しさ、一番初めに私がバテてしまって、腰まで痛くなってきた。

 それでも、なんとか源流域までたどり着くことが出来たのは、下流域から上流域にかけて移り変わる、 素晴らしい景色を見ることが出来たからだろう。
川の上流では、日本で最大と言われるサキシマスオウの木を見学した。



浦内川観光
 西表島最大の川、浦内川をカヤックではなく、遊覧船で観光した。
浦内川支流

 仲間川をカヤックでさかのぼるツアーで、腰を痛めてしまい、カヤックを諦めたからだ。
 マングローブ林が多く見られるが、マングローブという名前がついた植物があるわけではなく、 熱帯や亜熱帯地域の河口などで、満潮になると海水が満ちてくるところに生えている植物を、 まとめてマングローブと呼ぶそうだ。

 世界中では、100種類以上の植物がマングローブと呼ばれているんだとか。
 日本では、おもに沖縄県で、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなど、8種類のマングローブを見ることが出来る。

 約8km川をさかのぼったところで船を降り、30分歩いて日本の滝百選に選ばれている「マリユドゥの滝」、 神々の聖地と言われる「カンビレーの滝」を見学した。
カンピレーの滝 マリドューの滝

 下りは再び遊覧船に乗って、河口まで景色を楽しみながら下った。

 遊覧船の観光が終わったあと、宿に帰るバスが長時間無かった。
 路線バスは、1時間半か2時間に1本しかなく、宿から車で迎えにきてもらうにも、 携帯電話(Vodafone)が圏外で通じない。
 気温も高く、先ほど歩いて滝を見学しに行ったので、汗もびっしょりかいていた。

そこで、バスが来るまで川でひと泳ぎすることにした。  勿論、川で泳いでいる者など、誰もいない。
 競泳用の水中眼鏡と足ヒレを着けて泳いでいると、前方から遊覧船がやってきた。 船には50〜60人くらいの観光客が乗っている。

 動物は天然記念物ぐらいしか見かけない川で、人が泳いでいるのが余程珍しく、 また絵になったのか、船上では全員がこちらを指差しながら、驚きの声を上げていた。
 パチパチと写真は撮るわ、がんばってーと声をかける者、手を振るもの、船上は大騒ぎになっていた。
 遊覧船が通り過ぎると、また静かな川の流れと、マングローブ林が疲れを癒してくれる。

 それから、30分ほど泳いだころに、また別の遊覧船が近づいてきた。

 先ほどは、船上が大騒ぎになっていたので、今度は、見つからないように潜って遊覧船が通り過ぎるのを待つか、 もう一度、観光客を驚かすのか考え抜いた末、どうせならもっと驚かしてやろうと思い、 最初は見つからないようにそっと待って、船が前方30〜40mに近づいたところから、 バタフライでハデに泳いだ。

 それを見た船上の観光客は、てんやわんやの大騒ぎ、もうパニック状態。 こちらを指差し、手を振り、カメラを構えて、なりふりかまわず全員が叫び狂っている。
 そのさまはまるで、あの有名な絵画、ムンクの「叫び」を見ているようだった。 また、タイタニック号の沈没直前の光景を見ているようでもあった。



星砂の浜
 西表島の有名なサンゴ礁の海、星砂の浜で潜っていると、なんとアクトスの○上さんが、 泳いでこちらに向かってくるではないか。
星砂の浜

この方は、30才を過ぎてから水泳を始め、すでに13年間続けておられるそうだ。 顔は吉永小百合にうり二つで、少しふっくらされている。
 ところが、やあー、と言って近づくと、逃げようとする。 何でかなー、と、よく見ると、なんとそれはジュゴンだった。
カーソルオンで
○上さん

 どうりで、○上さんにしては、少し太っているなあーと思った。



お百姓さんに出会う
 石垣島の空港に降り立つと、最初に出会ったのが、お百姓さんだ。
北海道に行ったときにも、内緒で来ていたお百姓さんに旭山動物園で出会った。 石垣島にも来るとは聞いていなかった。
 内緒で来ているのだと思ったが、真正面から目が会ってしまったので、お互い話をしないわけにはいかない。
そこで、やあー、と言って近づいてよく見ると、なんとそれは、シーサーの置物だった。
特別天然記念物
オヒャクショウ



最後に
 北海道と比べ、石垣・西表島では、食べ物が私の好みに、いまひとつ合わなかった。  また、紫外線が非常に強いうえ、昼夜の温度差が少なく、夜は暑い。

 今回は、水中カメラを持って行ってなかったが、再度行く機会があれば、 美しいサンゴ礁や乱舞する魚たちを、ぜひ水中カメラに収めてきたいと思っている。

以上

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