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能面 狂言面 制作工程
≪ 長霊べし見をモデル ≫

 髪の毛、眉毛、口髭、顎髭、目、口元を描きより深い表情をだす。



 まずは写真を見ながら毛描きのイメージを鉛筆で薄く書き込む。

 位置、角度、長さをしっかり確認する。 違えば表情がぼけてしまう。

 書いたり消したり約2時間ほど要した。

 ところが、筆はこの通りに動いたことはない。筆先にまかそう。

 彫りがしっかり出来ていないと線がゆがむ。いかに彫りが大事であることがここでよくわかる。

 愛犬アンが勝手に写っていた。おやつが欲しかったのだろう。


 目もとから描き始めた。

 目の左右に朱墨を入れ、目の金具(真鍮)に膠で溶いた金を塗る。3回塗って、やっと落ち着く。よく乾かし重ね塗る。焦らない。

 左右の朱色の箇所に古色を入れ、墨と古色液で目の周りを強調する。目玉にも墨と古色を入れ金ピカをおさえる。

 ぼやかしたり強調したり,目の裏側に墨を入れたり乾かしたり、これだけで2時間はかかる。のんんびりやろう。





 頭頂部は小さい平筆で墨を塗り付ける。

 細い毛の毛描きは面相筆を使用。平行線で描くのが基本。しかし、なかなか思うようには筆先が動かないのが腹立たしい。

 くりっと曲がったり渦巻きはなかなかうまく描くのが難しい。

 筆の入り、抜き、中間と気が抜けない。 そのうえ、面の曲部に描くのだから微妙な動きが強いられる。  筆だけを動かすだけでは長めの線は無理。面も動かしながら描いていくのだ。

 失敗したら大変。消しゴムが使えない。かといってビビる必要はない。思い切って勢いよく描けば少々ゆがんでもそれでいいのだ。

 まだまだ未熟だがどんどん描かねば上達がない。後30年もすれば上手になると思いつつ。



 今日は積雪13pほどの雪。家にこもって毛描きをした。   2014年2月14日。



 長霊べし見の毛描き完成。 これですべての制作工程を完了。

   長霊べし見


     
  
小面 万媚 若女 節木増 深井 孫次郎 増女 泥眼 増髪 蝉丸 石王尉 怪士 不動 小獅子 牙べし見 悪尉べし見 橋姫 平太 慈童 喝食 熊坂 大べし見 大悪尉 しかみ 猿べし見 釣眼 黒髭 山姥 痩男 頼政 毘沙門 要石悪尉 生成 天神