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早春賦

歌川広重 梅に鶯  1835年
春は名のみの風の寒さや。
谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず。
時にあらずと 声も立てず。

氷解(と)け去り葦(あし)は角(つの)ぐむ。
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空。
今日もきのうも 雪の空。

春と聞かねば知らでありしを。
聞けば急かるる 胸の思(おもい)を
いかにせよとの この頃か。
いかにせよとの この頃か。


歌川広重 名所江戸百景・深川木場


吉丸一昌作詞・中田章作曲