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こいのぼり
歌川広重 名所江戸百景 水道橋駿河台
甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。
開ける広き其の口に、
舟をも呑まん様(さま)見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。
百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜(りゅう)になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍(おど)るや鯉のぼり。
作詞作曲不詳/文部省唱歌